五味八珍(静岡県・熱海市)

久しぶりに訪れた熱海は、記憶にあった以前の面影とはまるで違い、観光客で賑わう活気に満ちた街へと変貌を遂げていた。予想外の盛況ぶりに少し戸惑いながらも、お昼を少し過ぎて落ち着いてきた頃合いを見計らい、熱海駅ビル内にある「五味八珍」へ向かうことに。静岡県民にはお馴染みの中華ファミリーレストランだが、訪れるのは実に久しぶり。あの浜松餃子の味を思い出しながら、期待に胸を膨らませて店へと向かった。
熱海駅直結の商業施設内にある五味八珍の店舗前に到着。ピークタイムを過ぎたとはいえ、店の前にはまだまだお客さんの姿が多く、その人気ぶりを実感する。1970年に浜松市でテイクアウト餃子専門店として産声を上げた五味八珍は、今や静岡県を中心に多くの店舗を展開する人気チェーンへと成長した。熱海の玄関口でもこれだけの賑わいを見せているのだから、その実力は折り紙付きなのだろう。



席に案内されメニューを開くと、餃子はもちろんラーメンやチャーハンなど本格中華の数々がずらり。目移りしてしまうが、今日の目当てはやはりあれで決まりだ。

しばらくすると、看板メニューの浜松餃子が運ばれてきた。丸く並べて焼き上げられ、真ん中には茹でたもやしがちょこんと盛られた、なんとも愛らしい見た目に思わず頬が緩む。

改めてじっくりと眺めてみると、キャベツと国産豚を使ったという餃子が円形にきれいに並び、香ばしい焼き目もしっかりとついている。「五味」は甘い・酸っぱい・苦い・辛い・塩辛いの五つの味覚を、「八珍」は八種の珍味や豪華な料理を意味するという店名の由来にも納得の、食欲をそそる仕上がりだ。

食事の締めくくりにやってきたのは、デザートメニューの八珍プリン。店名の「五味八珍」を音読みすると「ごみはっちん」となることから、通称「ハッチンプリン」とも呼ばれているのだとか。なめらかな口当たりのカスタードに、ほろ苦い自家製カラメルソースがたっぷりとかかった、昔ながらの手づくりプリン。中華のあとにこうした素朴な甘みでほっと一息つけるのも、家族連れにも愛されてきたこのお店らしい心遣いなのかもしれない。

満足のいく食事を終え、再び店舗前へ。賑わう熱海の街の一角で、変わらぬ味を守り続けているお店に出会えたことに、静かな満足感を覚えた。
意外なほどの盛況ぶりに驚かされた熱海の街で、久しぶりに味わった五味八珍の浜松餃子とハッチンプリンは、記憶の中の味そのままに変わらぬ美味しさを届けてくれた。駅から徒歩わずかというアクセスの良さもあり、旅の合間にふらりと立ち寄るにはぴったりの一軒。熱海を訪れた際は、賑わう街の中でほっと一息つける、この馴染みの味にもぜひ会いに行ってみてほしい。
五味八珍
・静岡県熱海市田原本町11-1
・JR東海道本線「熱海駅」からすぐそこ。
・トップページ – 五味八珍(外部リンク)
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